「葉っぱを仕掛ける」という探偵のテクニックがある。探偵業界でこの言葉が意味するのは、 鉱山や工事現場などで爆薬を使って爆破をすることでもなく、人に働きかけて意欲を持たせたり奮起させることでもない。 文字どおり葉っぱを仕掛けることである。(そのまんまかよ)
これは、玄関のドアの隙間に葉っぱを差し込むことによって、ドアの開閉による落下の跡を見て、対象者の自宅の出入りの有無を確認する技だ。 アレです、デスノートの夜神月がやってたアレです。部屋を出る時にシャープペンの芯をドアに挟んでおいて、帰宅した時に芯が落ちていたら、留守中に部屋に誰かが入ったことが分かる的なやつです。
「葉っぱ」とは呼んでいるものの、玄関周辺に落ちていても不自然でない様な、怪しまれないものを選んで仕掛けます。場所によってはゴミとか紙屑でもオッケー。外だとシャープペンの芯は使えませんよライト君。
基本的に探偵が、玄関ドア付近をずっと直視で監視し続けるのは、物理的に難しいケースが多い為、この識別方法は非常に汎用性が高い技だったりする。もちろんコンプライアンスは遵守した上で。
例えば、夜に対象者が帰宅後、調査を一旦打ち切って翌朝自宅から再開する場合など、仕掛けた葉っぱを確認してそれがそのままであれば、朝までドアの開閉、つまり人の出入りが無かった為、対象者はまだ自宅に居ると判断することができる。 また、マンションのメインゲートから出て来た対象者とおぼしき人物をキャッチ(補足)できたとしても、探偵が初見で、その人物が本当に対象者で合っているのかどうか自信が持てない時などに、玄関ドアの葉っぱを確認し、落ちていたらその人物は対象者である可能性が高いという判断材料にもなる。
仕掛けるのも、これがなかなか難しくて、目立たないように小さい葉っぱをこっそりとドアに挟んでおくのだけれど、ドアの開閉がないのに風などで落ちてしまってもダメだし。逆にドアの開閉があったのに葉っぱが落ちなくてもダメ。慣れてないと調整が難しい。
実際はもうちょっと目立たたない様に仕掛けるけどこんな感じ。
これが…
こうなってたら出入りがあったことが分かる。
そして何より、いつ対象者が帰ってくるかわからない時や、自宅内に対象者が居る時に仕掛ける葉っぱはマジでスリルショックサスペンスです。足音を殺し、人の視界に入らない様に慎重に移動します。メタルギアソリッドで鍛えたステルス技術の全てを活用しましょう。 僕は実際に経験があるんだけど、ドアに葉っぱを挟もうとした瞬間にドアが「ガチャ」って開き始めた時の絶望感は半端じゃない。笑
そういう時は、たまたまドアの前で落とし物をして屈んでいた人を装ってピンチを凌ぐのが無難だけど、そこに居ること自体がヤバそうな状況では、完全にあたまイッちゃってる人に成りきるのが有効。ちなみに小沢はそういう時には、小さくジャンプを繰り返しながらポケモンの曲(ひゃくごじゅういち)を楽しそうに一人で元気に歌います。最高に気持ち悪い行動ですが、逆に「こいつマジでヤバい奴だ」と怖がられてしまえば、対象者も声をかけてこないんです。ただし非常に上級者向けです。まぁ〔探偵であること〕がバレなければ最悪大丈夫なんですよ、人としては完全にアウトですが。おかあさんごめん。