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探偵から見た「浮気」

恋人の浮気が発覚した瞬間の、サーっと身体中の血の気が引いて周りの音が聞こえなくなってから次第に自分の心臓がバクバク鳴り出して小さく手が震えて冷や汗が出て視界がクラクラしだしてから自分の置かれた状況が徐々に理解できてくると共に一気に悲しみと怒りが押し寄せてくるあの感覚。わかります?

今まであなたは、浮気をしたことがありますか?
今まであなたは、浮気をされたことがありますか?

どちらか片方、もしくは両方の経験をお持ちの方も多いことだろう。世の中に溢れかえっている「浮気」について探偵的な目線からザックリと語ってみようと思う。

浮気の基準は人それぞれだろうけど、ここでの定義は「パートナー以外の人間とセックスすること」としましょうかね。

普通の会社員の方が毎日通勤するような感覚で、僕は尾行して他人の浮気を観察する仕事をしているわけですから、そりゃ浮気についても一家言(いっかげん)ありますわな。

そんな仕事をしているせいか、友人とかによく言われるんですよ『世の中から浮気がなくなっちゃたら、小沢君の仕事は廃業しちゃうよね』って。でも大丈夫です。この世から浮気がなくなることなんて絶対にないですから。これは断言できます。

まぁ今のご時世、緊急事態宣言中だろが、対象者のみなさんは普通に浮気しまくってましたねぇ。もうガンガンラブホ行ってましたよ。っていうかその日もどこもラブホ、満室ばっかでしたからね。マジでみんな濃厚接触してましたよ。いや粘膜接触か。(←言いたいだけじゃねぇか)

そもそも、浮気のメカニズムについて説明すると。ホモサピエンスからなる、進化生物学的な視点で見れば、非常に単純明解です。男性は、より多くの自分の遺伝子をばら蒔いて、子孫を残すように、もともと生物学的にデザインされています。女性は、自分が生んだ子供を育てる力のある男性に惹かれるように、もともと生物学的にデザインされています。あ、ここでいう子供を育てる力っていうのは、旧石器時代でいう狩猟能力、現代でいうお金ですね。

ようするに男は、性的な観点から浮気して
女は金銭的な観点から浮気をしやすいと

確かにですね、僕の依頼者さん達もそうなんですけど。ほら、自分のパートナーの浮気相手がどんな人物なのかってやっぱ気になるじゃないですか?だから男性の依頼者さんは、浮気相手の男の、職業や家の規模を、まず知りたがる人が多いですし。一方女性の依頼者さんは、浮気相手の女の、顔や年齢を、まず知りたがる人が実際多いですから。その生物学的な傾向ってのは、まぁあながち間違ってないのかなと、感じますね。

でまぁどんな人が浮気をするのか?ってとこですけど、これまたよく質問されるんですよ『探偵から見て、浮気をする人の特徴とか共通点ってありますか?』みたいにね。

これを言っちゃアレですけど、人間はホント誰しもが浮気をする素因を持っているんですわ。超残念ながら。

街中で見かける
楽しそうなカップル
幸せそうな子連れ夫婦
仲睦まじい熟年夫婦

はい、その内のだいたい6組に1組くらいは浮気相手と一緒にいる人達です。子連れだからって油断するんじゃねーぞ、それ浮気相手の連れ子だから。俺もうそういうの何度も見てるから。世の中マジで浮気ばっか、誰しもが浮気する危険性をはらんでいます。

「いやいや私は絶対に浮気はしません」って方も当然いらっしゃるでしょうけど、それはあなたの価値観やエゴやリスクなどを天秤にかけた結果、今現状その判断をされてるってだけであって、これから先の人生において浮気を絶対しないとは言い切れないはずだ。
事実、浮気をする人には大きく分けて2つのタイプがありまして。1つ目は 昔から異性好きで、チャンスさえあれば浮気がしたいと常に望んでいるタイプの人。2つ目は 元来マジメで一途なんだけど、ひょんなキッカケで、まぁいわゆる出会いがしらの事故のように人生で初めての浮気を経験してしまうタイプの人。言うまでもなく厄介なのは後者です。

誤解を恐れず言えば(恐れろよ)僕は浮気に関してはそこそこ寛大です。だってある一定のレベル以上の人間力と魅力を持った者同士であれば 男と女なんて根本的に惹かれ合うようにできてるわけだし、そりゃ浮気心だって芽生えますよ。もうそれはもうしょうがない。だって人間そういう風にできてるんだもん。ただし不倫、テメーはダメだ。

それを飲み込んだ上で、どう立ち振舞っていくのか、ってとこに、その人の人間性が問われてくるわけです。そこに人生のドラマってのが生まれてくるわけだ。

だから僕はね、幸せそうなカップル・夫婦と知り合うと『僕 探偵なんで、なんかあった時はすぐに相談してくださいね(キリッ!)』みたいにふざけてね言って笑いを取ることが多い。そうすると相手も『こりゃ絶対浮気できないなぁ~』みたいに言ってきてね。でも数年後に どっちか片方から浮気調査の依頼が来るんだよ、マジで。全然笑えない。

「うちの彼氏(彼女)は全然モテないから心配ないです笑」と高を括ってる方がいますが、浮気をするかどうかにモテは全く関係がないんですよね。むしろ「本当にモテる人間の方が実は浮気をしない」とかもよく聞くんですけど、それも大間違い。本当にモテる人間の浮気ってのは、そうそうバレないってだけです。絶望しろ。

まぁ浮気をしない人ほど、自分の恋人の浮気をあまり心配しない傾向がありますよね。なぜなら自分がしない事を、他人がしている時の心境や理由をイメージしずらいからです。逆に浮気をする人ほど、自分の恋人の浮気を心配して束縛をしたり、独占欲が強い傾向があります。実際、自分は浮気してんのに、本命のパートナーの浮気には絶対に堪えられないって人、結構多いですから。ちなみに僕もそうです。

だからそう。「自分も浮気するかもしれないけど、その代わりにあなたも浮気していいですよ」って名言する人がたまにいるけど、そういう人間はそもそも、それを伝えた相手のことを、最初から本命として捉えていないだけのことが多いですよ。あなたも心当たり、ありません?

やや唐突ですがここでバレにくい浮気のコツを教えましょう。一見すると恋人の為にやっていると思われる行動と、実は浮気相手の為にやっている行動とを一致させる自然な理由付けを【普段から】していくことです。そうすれば恋人からは怪しまれるどころか逆に感謝をされるようになりますし、それよってさらに浮気を疑われにくくもなります。ちょっと話が逸れたな。

浮気ねぇ…
まぁみんな浮気が大好きだよねw

ほら、浮気や不倫とかに対して、世間の風当たって今めっちゃ強いじゃないですか、芸能人叩いたりとかさ。だから一般的には「浮気や不倫に対して厳しい世の中になってきた」みたいに言われてるんですけど、違うんですよ。探偵やってる僕が感じているのは「浮気や不倫の話をみんなが聞きたがる世の中になってきた」ってことです。
んで、みんなが浮気や不倫の話を聞きたがるのは、それをどこか他人事として聞きながら 自分には降りかかってこないものだと安堵することによって楽しんでいるからだと思うんです。でも残念ながら、ぜんぜん他人事じゃないですよ。それはつまり、今後あなたが浮気されるかもしれないし、今後あなが浮気してしまうかもしれない、って意味で、他人事じゃないよ、と言ってるわけです。
被害者だけでなく加害者しも成り得るよ、ということを僕は言いたいわけですね。

 

くれぐれも、デリカシーの無い浮気はするんじゃないぞ。

 

じゃあ最後にね、長年探偵をしてきた僕の持論をひとつ。

男性はパートナーから本気で愛されていても浮気をしますが
女性はパートナーから本気で愛されていたら浮気をしないんです

「いやいや女性だって普通に浮気するじゃんか」って言うけど、それって厳密には浮気じゃないですからね。単純にもうパートナーのことを本気で愛してはいないってだけです。女性は本当に愛した男性の為なら テコでも動きませんからね。本当に。
これを身をもって実感したことのない男性諸君は、女修行をやり直した方がいいぞw

   

  

男の浮気は男のせい
女の浮気は男のせい

覚えておいて損はないだろう…

 

 

(キマった…?俺めちゃくちゃキマッってた?www)

探偵と調査対象者との禁断の恋

これは全部フィクションなんだけど
僕が調査対象者と禁断の恋をしてしまった話をしよう。

あれはもう随分と昔、僕が駆け出しの探偵だった頃…

僕と上司の目の前に座っている依頼者がこう言った。

「うちの娘を尾行して欲しいんです」

なんでも、大学入学を機に上京して一人暮らしを始めた娘さんの素行が気になってしょうがないらしい。ダンディな雰囲気のお父様だった。

「できれば、娘の身に何か危険があった場合は、助けてあげて欲しいのです。常識的な範囲で構いませんので…」

「探偵はボディーガードではありませんので身辺警護はちょっと…それに、もう18歳にもなる年頃の娘の行動を親が詮索するのもどうかと…」という台詞を僕は飲み込んだ。

「承知しました」と上司。

承知したのかよ。

調査委任契約書を交わし、二人で依頼者のお見送りをした。
そして僕の隣で上司のMさんがニヤニヤしながら言った。

「さぁ小沢くん、来週から君は大学生や」

対象者は18歳の女の子。名前は美樹ちゃん(仮名)だ。長野県上田市にある田舎町から東京に上京してきたばかりの大学1年生。大学近くのアパートに一人暮らしをしている。いわゆるおのぼりさんで、服装も地味で大きな眼鏡をしている。通っているのは そこそこ大きな大学で、外部の人間である僕でも容易に出入りが可能だった。彼女が取っている授業は大人数用の教室が多かったので、ちゃっかりと一緒の教室で講義を聞いていた。まさか2×歳にもなって、また大学に通うことになるとは。僕も身なりを大学生らしくして、クラッチバックとかを持ち歩いて、もう完全に大学生に溶け込んでいた(と思いたい)。

対象者の人となりというのは、尾行をしながら観察していると、にじみ出てくるものである。彼女は、バスでもお年寄りに席を譲る優しい子で、目線はよく甘いものに向けられていてスイーツに目がなく、所作も丁寧で育ちの良さが垣間見れる女の子だった。

こうも毎日、朝に家を出てから帰宅するまでの尾行を続けていると、一方的に親近感を覚えてくるものである。彼女に対して親心というか、いつしか妹を見守るような感覚を抱いていた。

大学の外では、ローリーズファームで1時間かけて試着をして服を選んだり、美容院から出てくると  うっすら髪に茶色のカラーが入っていたり、眼鏡がコンタクトレンズになったりと、田舎町の出身である彼女が、大学生デビューで少しづつあか抜けていく様子を影ながら尾行・監視していた。調査開始から2週間が経っていた。

そんなある日、事件は起きた。
もはや自分が探偵だということを半分忘れながら学食でクリームメンチ定食を食べていた時だ、彼女が急に僕の隣の席にやって来て、なんと話しかけてきたのだ!

「あの、授業よく被ってますよね…?」

マズい…
流石に連日の調査で彼女の視界に入り過ぎてしまっていたか…?

探偵は原則、調査対象者との直接の接触は避けるものだが、不可抗力で会話をしてしまう事は極稀にある。その際は自分が探偵である事は絶対に隠さなければならない。だから、ここはなんとか自然な対応で誤魔化しながら やり過ごすしかないと僕は思った。

「あーたしかに君、見覚えあるかも。1年生?」

「はい!美樹っていいます!」

「僕は小沢、経済学部の3年」

「じゃあ先輩ですね!あの…私まだ大学でお友達があまり居ないんです。だからもしよかったらお友達になってくれませんか?色々と教えて欲しいです、履修とかサークルとか」

「い、いいよ…」

「やった!よろしくお願いします」

これはとんでもないことになってしまった。
すぐに上司へ電話して事態の報告をした。

「ははは、小沢君やるやん!対象者と友達になっちゃう探偵なんて滅多におらんよ?」

「やめてください、何とかやり過ごせましたけどマジで冷や汗ものでしたよ…交代要員呼べます?」

「う~ん…今うちの班の案件立て込んどるからなぁ…小沢君で続行や」

「いやいや無理ですよ!認知されちゃってるし!」

「まぁ不貞調査だったらあかんけど、小沢君のは素行調査やし、まぁ歳も近いし友達なら探偵業法的にも大丈夫やろ」

「いやそれはそうかもしれないですけど…面が割れているので大学の外での尾行の難易度はめっちゃ上がりますよ…」

「小沢君ならイケるで。それよか彼女の恋人になればええやん。そしたら24時間の監視が可能やw」

「ちょwww」

こうして僕は彼女の調査を続行することになった。学内では時々彼女と一緒に授業を受けたり、そのまま学食でご飯を食べたりした。当時は調査対象者と直接話す経験なんてあまりなかったので内心ドキドキしていたが、身を隠す必要がないというのは、なかなかどうして悪くないものだった。

「先輩ってなんか不思議な雰囲気な人ですよね、妙に落ち着いてるっていうか…あと観察眼鋭いですよね!おしゃべりしてても色々と見透かされてる感じ」

…そりゃそうだ。
依頼者からの情報や大学の外での行動も全て知っているのだから…

「そんなことないよ、美樹ちゃんが単純なだけだよ」

「またそうやって!ひどい!」

「ごめんごめん」

「どうせ私は単純ですよ~」

「じゃこのマウントレーニアあげるから許してよ、好きでしょ?笑」

「好きです!えーいいんですか?許します!」

美樹ちゃんは美人とは言えないまでも、いつも明るく可愛らしい笑顔で、すぐに懐いてきて愛嬌のある子だった。次第に僕は学内で彼女に会うのが楽しみになっていた。失われた青春を取り戻したような気持ちになっている自分がいた。

「小沢君、その案件もうそろそろ依頼者指定の4週間になるやろ。特に変な動きがなければ今日の現場解除したら報告にするで」

「了解しました」

もう今日で美樹ちゃんともお別れか…
わかってはいたけど、やっぱり名残惜しいもんだな…
そんな風に思いながら、調査最終日の彼女の背中を見送った。

調査の報告の際には、お母様の方が探偵事務所にお越しになり、僕も立ち会った。上品な雰囲気のお母様だった。

「ひとまず娘が東京で変なことに手をだしていなくて安心しました。それと、娘とも仲良くして頂き、どうもありがとうございました。笑」

「とんでもございません、僕としても貴重な経験をすることができました」

こうして、この案件は終了となった。

その数日後
美樹ちゃんからLINEがきた。

「先輩最近ちゃんと大学来てますか?単位落としちゃいますよ~笑」

「悪いけど、僕はもう大学には行かない」

「え!!??なんでですか!!??」

「それは言えない。ごめん」

「え?え??」

「短い間だったけどありがと、元気でね」

「えなんで?なんで?そんなの嫌ですよ!!」

僕はLINEを閉じた。

だが数時間後に続けてこんなLINEがきた。

「私、先輩のことが好きなんです。今度お台場を案内してくれるって言ってたじゃないですか…だから、一度だけでいいからデートしてくれませんか?もう大学には行かないって、先輩にも複雑な理由があると思うので、それは絶対聞きませんから…お願いです」

彼女の僕への気持ちには若干気付いてはいたが、正直に白状すれば、僕も美樹ちゃんに惹かれていた。あの天真爛漫な笑顔と素直な性格の彼女に魅了されない男なんていないはずだ。それに、彼女のおっぱいは小さかった。(※小沢は貧乳の女の子が大好きなのだ)

【探偵業の業務の適正化に関する法律】第10条により、探偵は調査対象者に決して正体を明かしてはならない。でも僕が大学に行かなくなった理由を彼女が聞いてこないのであれば、隠し通せるかもしれない…僕は葛藤に苦しんでいた。しかし、彼女のおっぱいは小さかった。(※小沢は貧乳の女の子が大好きなのだ)

「わかった。お台場へ行こう」

忘れもしないあの日。
美樹ちゃんとは、ゆりかもめのお台場海浜公園駅の改札口で待ち合わせをした。

「お久しぶりです!今日はお世話になります」

「こちらこそ。ありがとね」

「へへへ、大学の外で先輩に会うの照れます」

「僕もだよ。じゃ行こうか」

「はい!」

相変わらず美樹ちゃんは明るく、可愛らしかった。

東京ジョイポリスへ行った。まだ都会に慣れていない彼女は、最新のデジタル技術を駆使した屋内施設にとても感動し「すごい!すごい!」と子供のように元気にはしゃいで楽しそうにしていた。僕が大学に行かなくなった理由を聞いてくるそぶりもなく、色んな話をしながらアトラクションをめぐった。

猫が大好きな話、親友の話、自転車に乗れない話、東京タワーに行きたい話、免許合宿の話、グラマシーニューヨークのチーズケーキの話、高校生の時にアルバイトしていたパスタ屋の話、未だに僕は覚えている。

「生き人形の間」という お化け屋敷に入った時だった。美樹ちゃんの方から急に手をつないできた。それも、いわゆる恋人つなぎだ。暗闇の廊下を歩く時も怖がりながらピッタリと僕に身体をくっつけてきた。やれやれ。僕は勃起した。お化け屋敷を出た後も、それからはずっと手をつないだままだった。しかしながら、僕も美樹ちゃんも、お互いにそれを指摘することはなかった。

ところで今になって、もう何年も前のことを思い出しながら、こんなにキモイ文章をブログに書いてる僕の気持ち、想像できます?どうみても異常性癖です、本当にありがとうございました。

ディナーにはbillsを予約していた。お台場の夜景の見える店内で、デザートのリコッタパンケーキを笑顔で頬張る彼女を眺めながら、僕は自分の気持ちを伝える決心をした。

なぁに…出会った時の関係が
探偵と対象者だっただけのことさ…
それなら墓場まで持っていけばいいんだ…

「あーあ!もう今日1日でもっと先輩のことが好きになっちゃいましたよ。だからこれからも先輩を独り占めさせてくださいね!」(←本当にこう言われたんだって!)

「あのさ、みきてぃ。話があるんだけど…」

「なんですか?」

「僕と付き合って欲しい」

「え…いきなりなんですか。笑」

「今、言わなきゃと思ったから」

「私…なんかでいいんですか?」

「みきてぃが、いいんだよ」

「先輩…それ本気で言ってます?」

「うん」

「あの…すっごく嬉しいです…」

「うん」

「でもちょっと考えさせてください」

「へ???」

「考えます」

「僕のこと好きなんだよね?」

「はい」

「僕を独り占めしたいんだよね?」

「はい」

「でも付き合うかは保留なの?」

「はい」

「えっ?」

「えっ?」

だめだもうあの時の感覚が蘇ってきてこれ以降は文章化できません。ここで終わりです。最終的に僕はみきてぃにフラれました。もうかれこれ10年近く経ちましたが真相は未だに不明です。諸説ありますが「みきてぃはタイムマシンで未来からやってきた僕の娘」という説が、現時点での最有力候補です。多分ちょっとどうかしてるんだと思う。だからこの物語はフィクションで全部僕の妄想ということにしておいてください、お願いします。
最後までお付き合い本当にどうもありがとうございました。

カムデンパークの景品をコンプリート【Fall out76】

フォールアウト76

この核兵器により荒廃した世界で
僕はひとつの希望を見つけた…

そう、カムデンパーク(Camden Park)である。
僕はすっかりとカムデンパークに魅入られてしまった。

初めて訪れた時に「みんな~Mrファジーにゃ~」という気の抜けた女性のアナウンスが聞こえてきた瞬間に、この遊園地はヤバいと本能的に感じた。従業員に間違われて出勤させられ、カビの生えたホットドックを食べさせられたり、岩をぶん投げさせられたり、炭鉱労働を強制させられたりする内に、どんどんと自分の中にカムデンとしての意識が刷り込まれていくのがカムデンしてきたのであった。

 

 

 

それからというもの、この身をカムデンパークに捧げることを誓い、カムデンパークの制服を正装として身に着け、CAMPもパークに直結する位置に構え、カムデンパークに定住した。そして景品の為にMr.ファジートークンを集め続けた。

ここでは誰もが勝者なのだ。

 

ご覧の通り、全ての景品を入手する為に必要なMr.ファジートークンの合計は710である。初回のクエスト「Mistaken Identity」では9トークン、以降のDailyのクエスト「Dross Toss」「The Chow Line」「Lucky Mucker」でそれぞれ手に入るのは1日3トークン。つまり、1人でコンプリートを目指した場合は最短でも235日が必要な計算となる。狂ってやがるぜMr.ファジー。

だが僕は諦めなかった。来る日も来る日もひたすら毎日トークンを溜める日々。友人にも協力してもらったり、「fuzzy」というサブキャラまで作成した。見かけた通行人には片っ端から取引を持ち掛けて、Mr.ファジートークンの為ならいくらでもキャップを支払った(要求を断った奴はその場で殺した)。血の滲むようなカムデンの末、ついに全ての景品を集めたのだ!

 

 

 

にゃああああ~~~~~!!!!
カムデンモンスター爆誕の瞬間である!!!

僕がカムデンパークの妖精「カムデンにゃんにゃん探偵小沢」だにゃ~♪
カムデンパークはとっても楽しいところにゃあ!
Mr.ファジートークンで交換できる景品を、みんなに紹介するのにゃ~!

 

  

カムデン・ハンマー(50トークン)

攻撃力は6だけどブンブンしてると楽しいのにゃ~!
ちなみに、パーク内に落ちてるコミー・ハンマーと全く見た目は一緒だけど、
カムデン・ハンマーの方がブンブンしてると楽しいのにや~!

 

 

 

パドル・ボール(50トークン)

こちらも攻撃力は1だけど、ポンポンしてると楽しくなってくるにゃ~!
もしポンポンする球がなくなったら、またMr.ファジートークンを10集めれば、
また10回ポンポンできるにゃ~!

 

 

 

カムデンパーク・ジャンプスーツ



カムデンジャンプスーツは景品じゃないけど、
ATOMIC SHOPで購入すればアーマー作業台でクラフトできるにゃ!
背中のMr.ファジーが可愛いので、是非お友達にも作ってあげようにゃあ!
気に入るといいけど!

 

 

 

カムデンパーク制服

言わずと知れたカムデンパークの制服にゃ!
この僕も、下積み時代はこれを着ていたのにや!

 

 

汚れたMr.ファジーのマスコットスーツ(150トークン)

じゃじゃじゃ~ん!
Mr.ファジーのコスチュームの魅力はなんと言ってもこのボロボロ具合にゃ~!
しっぽのボロボロ具合がなんとも言えないカムデンを醸しているにゃ~!
芸術にゃ~!

 

 

 

そして…選ばれし者のみが手にすることのできる…

 

汚れたMr.ファジーのマスコットヘッド(300トークン)

にゃあああ!!!!!
眼ん球ぶっとびカムデンにゃんにゃんにゃぁあああ!!!


 

 

どうにゃ?発売日に買って2カ月でこれだけ揃えるとか完全に頭おかしいにゃ?


…自分でもそう思うよ。

 

 

過ごしやすい夜

今僕は山梨のとある旅館でこの文章を書いている。

私的な旅行ではない。浮気調査をしてる。

小学生くらいの頃だろうか。毎年、夏休みになると家族旅行で山梨に行っていた。車でいくのだが、夏休みの渋滞ラッシュを避けて、夜になってから家を出発する。

その時、日常である東京から離れていく中で感じるドキドキやワクワク。

「変性意識状態」「トランス状態」「非日常への扉」「ハレ」とでも言うのか。

家族みんなで小さな車に乗り込むと、カーステレオからは親父の趣味のアメリカンオールディーズや70年代ポップスが流れてくる。その曲に合わせて、夜の高速道路をビュンビュン走り抜ける。最初の数十分はワクワクが止まらずに、夜の風景を眺めているのだが、次第に車に揺られながら寝てしまう。

どれだけ時間が経ったかわからないが、車が止まり目が覚める。目的地に着いたかと思えば、まだそこはサービスエリアだ。寝ぼけながらも車から降りて、無数に並んだ自動販売機でジュースを買ってもらったりする。それを飲みながら夜空を見上げると、無数の小さな星が見えて心が躍った。

たくさんの長いトンネルを抜けて、目的地に着く頃には深夜になり、街灯もない車のヘッドライトだけが頼りの山道に。宿に着くと、親から旅行中の暇な時間用に買ってくれた本を与えられ、虫の声をききながら眠くなるまで本を読んでいた。

その頃の記憶や感覚が、なんとなく蘇ってきている。
過ごしやすい夜だから。

探偵ってのは、みんなが思っているよりも、大胆に尾行したりする。

実をいうと今だって、対象者(ターゲット)のすぐ隣の部屋に宿泊しているし、さっきは温泉で対象者と出くわして、ちょっとのあいだ一緒に露天風呂にも入った。

対象者は、まさか自分が監視されているとは思っていない。僕の見た目だって、どこにでもいそうな普通の男だし、探偵だとは夢にも思わないだろう。

探偵とはそういうものだ。

対象者の部屋の灯りが消えている。今頃不倫相手と不貞でもしてるのだろうか。

明日は朝食を食べてから、お昼くらいには山梨の観光地へとかに向かうような流れだろう。対象者の車には最新のGPSがついているので、追跡もらくちんだ。慣れてしまえばただの旅行である。行き先は知らせてくれないけど。

またいつか家族旅行がしたい。