月別アーカイブ: 2018年4月

探偵日記

僕は日記を書いている。
それも高校生の時から、ほぼ毎日欠かさずに、紙の日記帳に書いている。

何を書いているのかというと、その日に起こった出来事はもちろんのこと、目標や決意、その日に自分がどんな感情を抱いたかを自問自答しながら整理するように書き記していることが多い。他には印象に残っている誰かの言葉や、どうでもいいような下らない事なども書いたりする。誰にも見せるつもりがないにも関わらず、ふざけて読者を楽しませる事を意識した文体で書かれていたり、不意打ちで未来の自分に向けてのメッセージが書いてあったりもするから油断ができないし、ちょっと気持ち悪い。

なぜ日記を書き始めたのかは今となってはあまり覚えていないが、きっと何かの気まぐれだろう。
だがこの仕事をするようになってみて、学生時代に日記を書き続けたことが、探偵をしていく上で役に立つ資質を培ってくれたのだと思う。

一日の終わりに、その日を振り返る時間を設けることで、思考を深め、自分と対話をする。自分とのタイマンの時間である。そこには誰もいない訳だから、世間体を気にしたり見栄を張る必要は無い。しっかりと心の深くで自分と向き合ってこそ、真意が頭をもたげるのだ。
すると感情のコントロールをしやすくなったり、冴えた判断ができるようになったり、客観性を持つことができる。そして何より、自分をしっかり理解することで、自分に嘘をつくことがなくなる。

これが結構重要で、探偵というのは、嘘をつくのが上手くないといけない。自分という人間を乗りこなす事のできていない人がつく嘘は薄っぺらい。そう、あの日の帰り道の僕の様にね…(いつものお薬出しておきますね)

 

あと日記は読み返すと単純に面白い。

音楽は記憶のポストイットとはよく聞くが、書いた本人に限定するのであれば、日記こそが最強の記憶のポストイットとなるはずだ。
9年前の今日、自分が何をして、どんな事を考えていて、何に夢中になっていて、誰と会って、何に笑っていたのかを、正確に覚えている人はいないと思う。けれど僕は自分の日記を見返せば、全てが分かるようになっている。これってすごい事だと思いませんか?

僕は30代なのだが、歳を取るのがすごく嫌だ。老けたくないし、まだ恋愛もしていたい。
だが日記を見返すと、昔の自分の悩みが書いてある。当時の僕にとっては死活問題であったような悩みも、歳を取った今の自分からみれば「こんな事で悩んでいたのか」と可愛らしく見えるものである。そう感じれるのであれば、歳を取るのも悪くないと思わせてくれる。

日記を書くのを10年継続した者は、何かを成す人である。
日記を書くのを20年継続した者は、既に何かを成した人である。

どこかで聞いた格言だ。たしか高校2年生の頃から書き始めたわけだから、もうとっくに10年は経っている。これによれば、僕は何かを成す人としての素質はあるようだ。あと数年続けて、何か面白い事が成せていれば嬉しい。

探偵になってからは調査内容も書くようになった。もちろん具体的な対象者の個人情報などは残していないが、実際に調査に入った自分が読み返せば、全て思い出すことができる。
おそらくこの日記を出版すれば、「アンネの日記か 小沢の日記か」と言われるまでに各方面から絶賛の嵐だ。(いつものお薬出しておきますね)



探偵の法律

日本には探偵についての法律がある。その名も…

「探偵業の業務の適正化に関する法律」

ちょっとくどい。あとそのまんまやん。

正式名称が長いので、界隈の人間は「探偵業法」って呼んでます。この法律が平成18年に参議院で全会一致で可決、平成19年6月より施行。これによって探偵が「正当業務行為」として認められた。依頼を受けて張り込みや聴きこみや尾行や情報収集をして調査を行うこと、が合法的に行えるようになったのだ。
「正当業務行為」を簡単に説明すると、力士やボクサーやプロレスラーが試合中に相手に怪我をさせても、傷害罪には問われないじゃないですか、あれです。

しかし、ここで誤解して欲しくないのが、探偵業法はあくまで規制法の類になるということ。今回は、探偵業法の大事なとこだけ3つピックアップして紹介しよう。

第2条 【定義】
この法律において「探偵業務」とは他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として面接による聞き込み、尾行、張り込みその他これらに類する方法により実施の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務をいう。

探偵業務を厳密に定義付けた内容です。
第2条2項以下は、文章が固いので僕の言葉で補足しますと

〇作家が著作の為に行う調査活動
〇フリージャーナリストや報道機関の取材活動
〇ネットメディアの発信、インフルエンサー同士の対談とか
〇学者、研究者の学術調査活動の一環で行う調査全般
〇弁護士、公認会計士、税理士、弁理士が受任した業務で必要な聴取活動
〇世論調査やアンケート調査
〇単に個人や法人の資産状況や経営戦略について調べること

これらは、ぱっと見 探偵に似た調査をしてるけど、実際は探偵業務とは違うよ って定義しています。わりと探偵とごっちゃになってるような人も多いと思う、特にジャーナリストとか。

第6条 【探偵業務の実施の原則】
探偵業者及び探偵業者の業務に従事する者は探偵業務を行うに当たっては、この法律により他の法令において禁止又は制限されている行為を行うことができることとなるものではないことに留意するとともに、人の生活の平穏を害する等個人の権利利益を侵害することがないようにしなければならない。

ここは必ずテストにでます。探偵をする者が絶対に理解しておかなければいけないのがこの6条。「探偵だからって何か特別な権利がある訳ではないよ、あと人の平穏な生活の邪魔しちゃだめだよ」って事です。実は法律上の権利でいえば、探偵と民間人はほぼ一緒なのです。ジーザス。
あとどうでもいいけど「行うことができることとなるものではないこと」ってめっちゃ読むの難しくないですか?

第10条 【秘密の保持など】
探偵業者の業務に従事する者は、正当な理由がなく、その業務上知りえた人の秘密をもらしてはならない。探偵業者の業務に従事する者でなくなった後においても、同様とする。

探偵は口が堅くなければいけません。合法的に人の秘密を扱うわけだから、当然です。第10条2項には秘密が漏れるのを防止する措置を取れともあります。また、探偵を辞めても秘密保持の義務は継続されます、つまり墓まで持っていけという事です。
さてこの調子だと、小沢家の墓はとんでもなく秘密でいっぱいのお墓になりそうですね。もの好きな女性は、一緒に入りませんか?

まぁ探偵業法は第6条と第10条の為にあるようなものなので、これらを抑えておけばバッチリです。さあ、これで貴方も探偵の法律通。



探偵とは何か

探偵ときいてどんな人物を思い浮かべるだろう?

シャーロックホームズ、名探偵コナン、金田一少年あたりでしょうか。
(個人的には幽遊白書の霊界探偵リスペクト)

辞書で「探偵」を調べると

1 他人の行動・秘密などをひそかにさぐること。また、それを職業とする人。
2 敵の機密や内情をさぐること。また、その役目。スパイ。隠密 (おんみつ) 。密偵。

と出てきて、少し厨二病心をくすぐられる。

現代においての探偵とは、探偵社や興信所に所属する調査員の事を指すことが多い。2018年現在で探偵業の登録は、およそ6000弱あるが、実際に事業が成り立っている探偵社は極僅か。ちなみにその内の4000位が個人登録の探偵だ。

警察が殺人や刑事事件を担当するのに対して、探偵は民事事件の解決を仕事とする。日本の警察には「民事不介入」という原則があって、一般市民同士のいざこざには介入できない事になっている。そこで探偵の出番というわけだ。

探偵の歴史も説明しよう。

イギリスでは、1749年に「バウ街の警吏」と呼ばれるイギリス私服刑事が活躍したのが前身で、この刑事が1800年代に私立探偵となったのが探偵の始まりといわれている。

アメリカでは1841年、アメリカンシカゴ創立のダン・アンド・ブラッドストリート社が調査会社を設立。ちなみにアメリカの探偵は結構ヤバい。州にもよるが3段階の免許制度が定められていて、最上位の免許の取得には5年以上もかかるけれど、武器の所持が許される様な公的制度がある。ボディーガード的な位置づけで、強盗を防止する仕事とかもする、ピンカートン探偵社が有名。アメリカの探偵は高給取りなのです。

日本の探偵の歴史といえば、時は乱世、産業革命がひしめく明治時代。1889年(明治22年)に、日本橋の士族・光永百太が探偵社を設立したのが始まりといわれている。まぁここら辺諸説ありますけどね。

日本の場合も諸外国と同様に産業革命が起こったものの、比較的社会は安定していた為、積極的に情報価値を認める企業が少なかった。これにより、イギリスやアメリカとは違った形で日本の探偵は発展していく事になる。こうして浮気調査・婚前調査・興信調査などが主な業務となった訳だ。